フライウェイ事業とは
渡り鳥を守るには、国境を越えて渡りのルート沿いのすべての国や地域の協力が欠かせません。バードライフ・アジアは、(財)日本野鳥の会などとともに渡りを行う水鳥の生息地保護ネットワーク構築を提唱し、その結果は1996年に「アジア・太平洋渡り性水鳥保全戦略」としてまとめられました。
フライウェイ事業は、国際的に重要な生息地をネットワークで結び、水鳥の生息環境を保全する国際協力プログラムで、現在13ヶ国78ヶ所で、ガン・カモ類、ツル類、シギ・チドリ類の3つのフライウェイの保全が行われています。
ツル類を中心とする北東アジアのフライウェイ事業は、北東アジアに固有に生息し、絶滅の危機にある4種のツル類(タンチョウ、マナヅル、ナベヅル、ソデグロヅル)の生息地を保護するもので、ロシア、モンゴル、中国、朝鮮民主主義人民共和国、韓国、日本の6ヶ国26ヶ所が参加しています。

活動の背景
現在確認されているツル類15種のうち10種と、世界でもっとも多様なツルが生息する北東アジア。しかし、生息環境の破壊のほか、農薬などを使った毒殺による狩猟、越冬地に多くの固体が集まることによる伝染病の発生などにより、6種が絶滅の危機に瀕しています。また、北東アジアではツル類は法的に保護されており、重要な生息地の多くがすでに自然保護区になっていますが、その管理体制はまだ十分とはいえない状況にあります。
活動の目標
- ツル類にとって重要な繁殖地、中継地、越冬地を保護する
- 国境をまたぐ生息地では協働・連携管理を奨励する
- アジア太平洋地域フライウェイにおける保護地域、政府機関、保護団体などの協力と連携を進める
- 国間、機関間の情報交換を活発にする
- ツル類および保護地域(参加地)に関する情報のデータベースを管理し共有する
- ツル類の存続に必要なことを明らかにするための調査研究を実施する
- 地域内で持続可能な湿地の利用に関する調査研究を実施する
- 地域内の湿地の持続可能な利用を奨励する
- とくに参加地において意識啓蒙と教育を進める
活動の成果
1997年の事業の開始(北東アジア地域ツル類重要生息地ネットワークの発足)以来、保全に関する意識啓発のためのワークショップやシンポジウムの開催、参加地の管理向上をめざした研修会の開催、さらに調査手法や管理技術のマニュアルを出版するなど、重要湿地の管理と、それに対する住民意識の向上をはかってきました。
こうした活動の積み重ねによるネットワークの構築により、国際協力の推進や情報の共有、調査手法や管理技術の向上に大きな成果が出ています。
マナヅルの繁殖地(モンゴル)
マナヅルの越冬地(鹿児島県出水)
ツルネットワークの活動について説明するバードライフ職員

