

バードライフ・インターナショナルは長年にわたり鳥類の保全活動に従事しています。調査や分析結果は、世界で絶滅が危惧される鳥類のデータとして公表してきました。世界の地域別レッド・データブックの発行、アジアの保全戦略をまとめたアジア版鳥類保全戦略の刊行、4年ごとの世界の絶滅危惧種チェックリストの作成などさまざまな事業を実施するほか、IUCNのレッド・リスト鳥類版のためにデータを提供しています。
2010年の調査では1,240種が絶滅の恐れのある種として挙げられています(2008年調査より14種増加)。そのうち190種が絶滅危惧ⅠA類で、ごく近い将来に野生での絶滅の危険性が極めて高いカテゴリーにあります。1988年以降レッド・リストは増加傾向が見られます。これ以上の絶滅を回避するため、バードライフ・インターナショナルは絶滅危惧種だけでなく、普通種の保護にも世界レベルで取り組みを始めました。
これまで1世紀に1種の割合で鳥が絶滅していますが、この30年で21種もの鳥類が絶滅してしまいました。そこでバードライフ・インターナショナルが立ち上げたのが、世界レベルで絶滅が危惧される鳥類の保護活動「Preventing Extinctions Programme」です。企業や団体、個人が特定の種の保全のためにSpecies Guardiansとなって活動を推進します。
一方、その活動推進を資金面でバックアップするのがSpecies Championsと呼ばれる企業や個人です。アジアではこの活動が先行しておりヘラシギ、ミンドロヒムネバト、カタジロトキなどの保全活動が実施されています。渡り鳥の保全を推進するCMS(ボン条約)のもとではクロツラヘラサギやヒガシシナアジサシの調査が進んでいます。
バードライフ・インターナショナルは絶滅が危惧される鳥類だけではなく、減少が続く普通種の保護についても「普通種を普通種のままに保とう」キャンペーンを企画し、積極的に展開しています。
いくつかの地域では普通種の生息数の変化を継続的に調査しており、この調査から得られたデータは鳥類の保全計画のみならず、土地利用や政策提言まで広く活用されています。また、データは環境教育や啓蒙活動にも大変に役立てられています。バードライフ・インターナショナルはまだ事業を導入していない地域でもこれから順次実施する計画を持っています。
これらの種の保全のためには生息環境である熱帯雨林や湿地の保全が重要であることはもちろんのこと、生態系サービスの価値を評価し土地利用や優先的保全地域の検討や保全戦略の提言が次の課題となっています。