大統領がナトロン湖のソーダ灰採掘計画の実施を急がせたことにより新たな懸念 (4月15日)

ナトロン湖のフラミンゴ再び窮地に
写真提供: Owen Newman; naturepl.com
タンザニア大統領によるナトロン湖で提案されていたソーダ灰工場の建設を急ぐようにとの指令を出したことより新たな懸念が生じて来ました。タンザニアの新聞が先週ダール・エス・サラアムで大統領が通産省の役人に述べた言葉を引用しました。彼はタンザニアが鉱物資源を未開発のままにして貧困を続けることはなく、ナトロン湖での資源開発は湖の対岸のケニアがすでに行なっているので、我々が最初というわけではないと言いました。また彼は「採掘は生態系に影響を与えることなく続けることが出来るという経験から」これ以上遅らせる必要はないと言いました。
ナトロン湖は東アフリカ唯一のコフラミンゴの繁殖地です。世界の総個体数の4分の3に相当する150〜250万羽のコフラミンゴはナトロン湖で繁殖します。食物が十分あり、営巣地が周りにあり、それに加えて、湖は周囲から隔絶され撹乱されません。同湖はIBA(鳥を指標とする重要自然環境)の一つであり、ラムサール・サイトにもなっているのです。
2006年にインドのタタ化学工業社がタンザニア政府と共同で4,500万米ドルの工場を建設し、年間50万トンのソーダ灰を生産、これにより150人の雇用を創出するという提案を行ないました。しかしバードライフ・インターナショナル、ナトロン湖諮問グループ、RSPBなどの自然保護団体からこの計画は準絶滅危惧種であるコフラミンゴの繁殖を阻害する可能性があるという猛烈な反対運動が起きました。その結果、タタ化学工業は初期の計画を棚上げにして2008年5月にこれを撤回したのです。
新しい展開に応じてRSPB国際部のサラ・サンダースは「今回の大統領指令は大変悩ましいものです。2008年に上程されたこのプロジェクトへの懸念は今も変わりません。また、仮にソーダ灰工場をナトロン湖の岸から離れた場所に建設するとしても、コフラミンゴの繁殖への脅威を解決するものではありません。」と言いました。また彼女は、いずれにせよソーダ灰の原材料はフラミンゴの巣材を提供するナトロン湖から採掘されると説明しました。「重機械の音、人間が姿を見せること、配管類の存在などが繁殖中には非常に神経質になるコフラミンゴを追いやってしまうでしょう。」また彼女は繁殖中に鳥の体重を支える厚い地殻の生成も工場からの排水によって妨げられる可能性があると付言しました。
新しいプロジェクトの提案はタンザニアの法律に従ったものなのかどうか、また、新しい環境および社会的影響アセスメントが提出されたかどうかはまだ明らかではありません。新しい投資者あるいは資金提供者が誰かも不明です。一つ明らかなのは、新指令に対してソーダ灰の採掘に反対する保護団体やナトロン湖の地元コミュニティからの大反対が起きそうなことです。
タンザニア大統領Kikwete
写真: Google Images より

