「トキ野生復帰 日中国際シンポジウム」のご報告
2007年11月25日、新潟県朱鷺メッセ・新潟コンベンションセンター・マリンホールにてトキ野生復帰日中国際シンポジウムが開催されました。本シンポジウムは環境省や新潟県をはじめとする行政機関、日本野鳥の会やバードライフ・アジアなどの環境NGOなど、トキの野生復帰に関わる17団体が実行委員会に参加して企画・運営を行いました(実行委員会事務局:バードライフ・アジア事務所内)。新潟での国際シンポジウムに先駆け、11月23日には東京でトキ野生復帰日中国際ワークショップを、11月24日には新潟県佐渡島にて現地視察を実施しました。
トキ野生復帰 日中国際ワークショップ:
11月23日にLMJ東京研修センターにて開催したトキ野生復帰日中国際ワークショップには、中国からトキの専門家など9名と英国からトキ類の野生復帰専門家1名が参加しました。日本からはトキ野生復帰に関わる研究者など53名が参加。九州大学や新潟大学など遠方からの参加も多く見受けられました。各発表後の質疑応答では極めて活発な意見交換が行われ、終了後には、海外からのゲストの歓迎会を実施しました。
[ワークショップ発表内容]
1)トキの野生復帰プロジェクトの全体像(環境省:中村昌孝氏)
2)トキの野生復帰目標「2015年・60羽」について
(自然環境研究センター:久保田正秀氏)
3)野生生物の保全における遺伝的な問題(日本鳥学会:永田尚志氏)
4)トキの遺伝的多様性について(兵庫医科大学:山本義弘氏)
5)トキの野生復帰に向けた自然再生のシナリオ
−ハビタットレベルから景観レベルに向けて(新潟大学:関島恒夫氏)
6)トキ野生復帰と社会環境について(東京工業大学:桑子敏雄氏)
7)Factors to consider for potential reintroduction of another Endangered Ibis:
the Northern Bald Ibis (英国鳥類保護協会:クリス・ボーデン氏)
8) 中国のトキ保護事業
発表1:「野生のトキの生物学的特性」丁長青氏
発表2:「トキ回帰技術」劉冬平氏

ワークショップ会場の様子 ワークショップ発表の様子
現地視察:
11月24日、佐渡視察当日の正午はあいにくの雨模様でしたが、佐渡市への表敬訪問を終えたころから晴れ間も見えるなど天候には恵まれました。視察では、はじめに佐渡市副市長の親松東一氏と議長の梅沢雅広氏を表敬訪問。その後、トキの森公園、野生復帰ステーション内の順化施設、トキの採餌場となる環境保全型の農地を見学しました。夜には滞在先の両津やまきホテルにて佐渡でトキの野生復帰に長いあいだ関わってこられた佐藤春雄氏などを招いて歓迎会を行い、地元の方々との交流を深めました。

佐渡市副市長親松東一氏のご挨拶 環境保全型農業地区の視察

トキ野生復帰ステーションの順化ケージ 歓迎会の様子
トキ野生復帰 日中国際シンポジウム:
11月25日に開催したトキ野生復帰日中国際シンポジウムは、来場者が定員250名を大幅に上回って336名が参加し、立ち見が見られるほどの大盛況でした。シンポジウムの会場の外ではトキ野生復帰に関わる各団体のパネルや実行委員会の構成団体のパネルやパンフレットが展示されました。
基調講演は、はじめに中国国家林業局副司長の王偉氏が中国におけるトキの野生復帰の現状や課題を発表。次に環境省自然環境局野生生物課長星野一昭氏が日本におけるトキの野生復帰の現状や来年の試験放鳥に向けての課題などを発表しました。その後の事例報告では英国鳥類保護協会のクリス・ボーデン氏がホウアカトキの野生復帰の先進事例を報告し、さらに兵庫県コウノトリの郷公園の池田啓氏が2005年に野生復帰を実施したコウノトリの事例について発表しました。
休憩前には、鴨下一郎環境大臣からのご挨拶がありました。最後に下記の内容でパネルディスカッションを実施し、会場からの質問をうけながらトキ野生復帰に向けた課題を会場の方々と共に考えました。シンポジウム終了後にはレセプションを行い、佐渡市市長の高野宏一郎氏など佐渡でトキの野生復帰に関わる方々をはじめとして、実行委員会の関係者ら約60名が参加しました。
<パネルディスカッション>
《テーマ》市民と共に考えるトキと人のこれから
・コーディネーター
中村 玲子氏 (ラムサールセンター)
・パネリスト
池田 啓氏(兵庫県コウノトリの郷公園)
高野 毅氏 (トキの野生復帰連絡協議会)
成島 悦雄氏 (東京動物園協会)
本間 航介氏 (新潟大学准教授)
王 偉氏(中国国家林業局副司長)

シンポジウム会場の様子 パネルディスカッションの様子

実行委員長山岸哲氏の挨拶 王偉氏(中国国家林業局副司長)の発表

トキ米の販売 トキ野生復帰に関わる団体のパネル展示

