■BirdLife International News
バードライフ・インターナショナルのホームページに掲載されたニュースを定期的に紹介しています。
●ブラジルのIBAが保全された (6月11日)
ブラジル大統領ルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバがボアノバ国立公園とボアノバ野生生物保護地区の設立に署名を行い、それによりこの生物多様性の高いIBA(鳥を指標とする重要自然環境)を守り、27,000ヘクタールの新しい保護区が作られることになります。
バイア州南西部に位置するボアノバIBAは緑豊かな大西洋岸森林とカアティンガと呼ばれる半乾燥地帯の二つのバイオームが重なるので独特の動植物相を有しています。現地語でマタアデシポと呼ばれる中間地帯の乾燥した落葉性の森林は2種の地域固有種ヤブアリドリ(絶滅危惧TB類)とハシボソアリサザイ(準絶滅危惧種)の生息地です。ボアノバではこれまでに396種の鳥が記録されており、そのうち14種は世界的な絶滅危惧種、17種は準絶滅危惧種です。
この署名式の間にルラ大統領は16種の世界的な絶滅危惧種の生息するもう1ヶ所のIBAであるセラ・ダス・ロントラス国立公園の設立にも署名しました。さらにパウ・ブラジル国立公園の拡張に加えて、アルト・カリリ国立公園の設立にも署名したのです。これらを合計すると世界で最も脅威の度合いが高いバイオームの一つである大西洋岸森林をおよそ6万ヘクタール守ることが出来ます。
「これはブラジルの野鳥保護にとって最大の勝利の一つです。これらの保護地域はすべてIBAで、その中にはセイブ・ブラジルが活動の優先度が高いと考えている2ヶ所が含まれて居ます。私たちがこれらのサイトで活動を始めた当初は、ほんの数人の鳥学者がここを知っていただけでしたが、今やこれらのサイトは国家レベルで重要性が認識されており、相当な数の絶滅危惧種が生き残るチャンスが大幅に増えたと言えます。」とセイブ・ブラジル(ブラジルのパートナー)の会長ジャクリン・ゴエークは言いました。
ボアノバとセラ・ダス・ロントラスでの保護区設立はこの地域の生物多様性の保護活動にとっての重大な転換点です。セイブ・ブラジルは最近何年にも亘り、政府、非政府組織、地元のコミュニティーと共にこれらの地域で活動を行い、遂に保護区の設立に結実したプロセスを支援して来たのです。
セイブ・ブラジルが始めた公共政策にはAage V Jensenチャリティ基金が資金を提供しています。また、ボアノバでの保護プログラムはブラジル環境省の‘生態系回廊プロジェクト’、KFW、ネーチャー・カナダおよび日本の潟潟Rーの資金支援により進められています。

(C)Pedro Develey
ブラジル・バイア州南西部のボアノバIBAは2つのバイオームが重なっているため独特の動植物が生息しています。

(C)Arthur Grosset www.arthurgrosset.com
ボアノバIBAは絶滅の恐れがあるヤブアリドリの生息地です。
●10年間で2百万羽の海鳥がEUの水域で殺された (6月8日)
バードライフ・インターナショナルと王立鳥類保護協会(RSPB: 英国のパートナー)によれば、過去10年間にEUの海域で2百万羽の海鳥が漁具により殺害されました。この数は1967年のトリー・キャニオン号の事故以来の欧州でのオイルタンカー事故による鳥の死亡合計数を超えるものです。
‘世界海洋デー’の今日、この悲惨な統計数値は、RSPBとバードライフが共同で欧州海洋・漁業コミッショナーのマリア・ダマナキ氏に対してブリュッセル市で提出した23,000人からの強い請願が緊急性が高いことを明らかにしました。請願は欧州の海鳥をトロール漁の餌の付いた針や魚網への誘引から守るための海鳥アクションプランの制定が非常に遅れていることから、その交付を急がせます。またコミッショナー自身も海鳥が漁具で殺されている同氏の出身国ギリシャでの情況について警告を受けています。
毎年9万羽の鳥がバルチック海や北海で魚網に巻き込まれて溺れ死んでいると推定されていますが、実際の数字はこの2倍にもなるのではないかと心配されています。アイルランドの西部沖で行われているスペインによる延縄漁では、更に5万羽の海鳥が毎年釣針に掛かって死んでいます。この影響を受けている多くの種は欧州法で保護されていますが急激に数が減っており、特にイギリス海峡へと北に生息地を広げているバレアリックミズナギドリ(和名未定)で顕著で、減少に歯止めを掛けないと今後一世代のうちに絶滅に直面すると推定されています。
ダマナキ・コミッショナーは、欧州委員会が最も絶滅危惧度が高い種に対する緊急処置を含む、しっかりしたアクションプランを今年末までに進めることを確実にすることを要求されるでしょう。このプランには防止方法の研究、漁業全体での問題への認識を高めること、いわゆる海鳥の‘混獲’に関するデータの収集などへの予算を伴うことが求められています。

(C)Roger Tidman (rspb-images.com)
影響を受けている多くの種は欧州法で保護されているが、実際には急速に減少している。
(写真はオニミズナギドリ )
●ワールドカップの勝者を選ぶのに頭は使わない (6月7日)
アフリカ最大の猛禽類の1種ケープシロエリハゲワシが南アフリカのムーティ魔術(黒魔術の一種)の信者による危機に晒されていると信じられています。信者たちは乾燥したハゲワシの脳をタバコのように吸うとサッカー・ワールドカップの試合の結果を予想できる不可思議な力が与えられるを間違って信じているのです。
ワールドカップへの賭けは大きなビジネスになり、自然保護活動家は迷信と魔法により賭けで大勝をする可能性を狙うギャンブラーにとって強力な魅力になると考えています。このことは既に世界的に絶滅の危機に直面しているとされているケープシロエリハゲワシに対して一層の圧力になるでしょう。
バードライフ南アフリカの会長マーク・アンダーソンは「世界中のハゲワシ類の多くが苦境にあります。アフリカ南部に生息する固有種も、食料の減少、意図的な毒殺、電線による感電死など様々な原因で急速に個体数が減っています。ムーティ魔術の信者によるハゲワシの頭狩りは同種の生き残りに対する更なる脅威なのです。」と言いました。

(C)Fveronesi1 / Flickr
サッカー・ワールドカップの結果への賭けがケープシロエリハゲワシにより大きなプレッシャーを与えています。

(C)Pedro Monteiro/www.rarebirdsyearbook.com
アゾレスウソ: 保護の成功例

