■BirdLife International News
バードライフ・インターナショナルのホームページに掲載されたニュースを定期的に紹介しています。
●不思議なシギの運命はナイフの歯の上 (6月25日)
ヘラシギが最近急激な個体数の減少に晒されており、保護対策が取られない限り絶滅が切迫しています。以下はバードライフ・インターナショナルの雑誌‘バード・コンサベーション・インターナショナル’の最新号の記事です。
ロシアの極北・極東の繁殖地全域からのデータで引き続き厳しい減少が確認されています。本種は困難な幼鳥の時期を生き延びることが難しいと思われ、生息地の喪失と狩猟が主要な脅威です。最近のこのような減少により、本種は2008年版のレッド・リストで絶滅危惧TA類に格上げされました。現在1,000羽以下しか残っていないものと考えられています。
「本種の絶滅を避けるためには国際的に協調した保護活動が必要です。」とこの記事の主筆であるクリストフ・ズックラーは言いました。
ヘラシギの繁殖習性は特殊化しており、非常に特殊な植生の干潟の砂嘴と、餌場として付近の河口域または干潟環境のみを利用します。非繁殖期には川の三角州の外側や島の外側の砂質の潮汐のある干潟と浅い水辺を好みます。不幸なことに、彼らの渡りと越冬地域全域で干潟が産業、インフラ整備、水産物養殖のための埋め立てが進められており、公害も増加しているのです。
しかし非繁殖地での最新の二つの調査が本種に対する希望を与えてくれました。今年の初めにミャンマーのマータバン湾で行われた調査で少なくとも89個体が観察されました。しかしながら、調査チームが訪れた場所のすべてでヘラシギを含むシギチドリ類の非常に大きな狩猟や罠猟の圧力の証拠が見られたのです。本種を守るためには至急に行動が必要で、現地の人たちのこれまでとは異なる所得の手段を生み出すために彼らと共同してゆく必要があります。バードライフの‘種の保護者’キャンペーンの一環としてヘラシギに取り組んでいるBANCA(ミャンマーのパートナー)はこれらの調査の調整を行っており、マルタバン湾でのヘラシギやその他のシギチドリ類の狩猟問題に取り組むための努力の基盤作りになる社会経済的調査にも関与しています。

(C)Chaiwat Chinuparawat; www.rarebirdsyearbook.com
ヘラシギを救うためには国際的な保護活動が必要
●マグロ漁に転換が必要な時が来た (6月28日)
世界中でサンドウィッチの主要な具であるマグロの漁が保護活動に対して想定外の危機を招いています。絶滅に瀕している多くの海鳥が高価な魚種であるマグロの延縄漁船団の手で殺戮されてからです。これは最近バードライフが公海上でのマグロ漁の管理に責任を持つ組織の会議に提出したメッセージです。
先週オーストラリア・ブリスベンで開催された会議は世界の熱帯および温帯の海での海鳥、カメ類、サメ類および海生哺乳類の混獲を減らすためマグロ水産業を規制する地域漁業管理組織にとって必要とされるステップを明らかにした特別な機会を提供しました。
これらの組織は共同でカメ類やアホウドリなど、漁船が目的にしているわけではない多くの種の不必要な死を招く混獲の悲劇を終らせる力があります。
バードライフは‘世界水鳥プログラム’をこの会議の参加者に示し、絶滅危惧種の混獲を減らしながらこれまで通り魚を獲る簡単な方法を伝えました。この会議では世界中の公海でのマグロ漁に共通する実行可能な科学的アドバイスを作るための技術的ワーキング・グループの設立など幾つかの前向きの結果が得られました。しかし、多くのアホウドリ・ミズナギドリ類や他の混獲される種の個体数減少に歯止めを掛けるのにはまだ長い道のりがあります。

(C)Fabio Olmos
バードライフは延縄漁船団が絶滅危惧TA類のトリスタンアホウドリなどの混獲を避けることが出来ることが分かっています。
●国連がバードライフのIBAを重要指標として用いた (6月25日)
このほど刊行された2010年度国連ミレニアム開発目標(MDGs)報告はバードライフの主要な指標の一つであるIBA(鳥を指標とする重要自然環境)の保全度合いを初めて引用しました。この報告は毎年MDGの地球規模での進行状況の評価を、栄養不足の子供の割合、マラリアの発生件数、綺麗な飲料水の入手可能性などの指標を用いて示すものです。報告書はある程度全体的な進歩は見られたものの、地域による均衡が取れていないことを警告しています。また2015年までにMDGを達成するために加速的な活動が必要な地域をピンポイントで示しています。
‘目標7’は環境の持続性を確保するもので、報告書は絶滅危惧種の重要生息地が適切に保全されているか否かの度合いを評価するのにIBAを用いています。報告書はIBAが世界の鳥やその他の生物多様性の保護にとっての重要な場所であり、これらすべての地域を守ることがCBD(生物多様性条約)の目標である生物学上の重要な地域を守るために重要な貢献をするであろうということを認識しています。しかし、現在はIBAの3分の2以上が保護されていないか、部分的に保護されているだけです。
「MDBにIBAが用いられたことは、バードライフのIBAに関するデータとコンセプト、保護活動を行うに際しての科学に基づいたアプローチの価値およびバードライフの地域に存在することによる影響力を示すものです。」とバードライフの事務総長マルコ・ランバーティニ博士は言いました。

(C)Adrian Long / BirdLife International
2010年の国連ミレニアム開発目標報告はバードライフの主要な指標の一つであるIBAの保全度合いを初めて引用した。

